今日、学術的資料のWeb上での公開が国際的な流れとなり、学術研究の進展へ大きな貢献を成すと共に、一般の方々への情報提供の有効な手段となっています。
「近現代ハンセン病資料アーカイブス (The archives of materials on Hansen's disease in modern times (略称: ARCHHDJP))」(以下、本アーカイブス)は「近現代ハンセン病資料アーカイブス作成委員会」(国立感染症研究所ハンセン病研究センターに設置)が近現代のハンセン病に関する未公開資料を収集・検証し、電子化・データベース化し保存するとともに(「国立感染症研究所ハンセン病資料アーカイブス」、学術的な価値の高い資料をWeb上に公開することによって、ハンセン病問題の学術研究の進展へ貢献すること、多くの方々ヘハンセン病問題への理解を深めていただくことを目的とします。
また、本アーカイブスはハ ンセン病の歴史を未来に残し、ハンセン病問題を人類の歴史として記憶することを目指すものです。
アーカイブスの目的
2020年4月1日
近現代ハンセン病資料アーカイブス作成委員会
<構成>
近現代ハンセン病資料アーカイブスは、近現代のハンセン病資料を調査、収集し、目録化、保存(国立感染症研究所ハンセン病研究センター内)、電子化、データベース化(「国立感染症研究所ハンセン病資料アーカイブス」)し、その一部をホームページに公開します。
収集、保存、目録化、電子化、公開予定資料
①犀川一夫(資料)-目録データと資料詳細データ
-元沖縄愛楽園園長、元WHOハンセン病担当官、台湾と沖縄でハンセン病外来を行った。
②石原重徳(資料)-目録データと資料詳細データ
-元駿河療養所所長、1962(昭和37)年より愛知県を中心にハンセン病の外来を行った。
③荒川 巌(資料)-目録データと資料詳細データ
-元松丘保養園園長、日本のハンセン病政策の改革を求めた。
④岡田誠太郎(資料)-目録データと資料詳細データ
―元国立療養所大島青松園園長
⑤湯浅 洋(資料)-目録データと資料詳細データ(作成中)
―元笹川記念保健協力財団 元常務理事、医療部長、WHOの多剤併用治療(MDT)を中心にハンセン病の克服に貢献した。
⑥大平 馨(資料)-目録データと資料詳細データ(作成中)
―元多磨全生園園長
⑦LEPRA誌-目録データと資料詳細データ
―国際ハンセン病学術雑誌、「第1回国際癩会議」(1897年、ベルリン)でハンセン病医学および対策、各国のハンセン病の実態などの情報を共有した。
⑧国際ハンセン病学会会議録-目録データと資料詳細データ
―『MEMORANDA OF THE INTERNATIONAL CONGRESS OF LEPROLOGY』
『TRANSACTIONS of the VIIth INTERNATIONAL CONGRESS OF LEPROLOGY』、その他
⑨日本癩学会発表論文-目録データと資料詳細データ
『Transactions of the 4th Meeting of the Japanease Association for Leprosy(第三回第四回癩學會発表論文)』、『第五回日本癩學會演説抄録』、その他
⑩レプラ、日本癩学会雑誌、日本ハンセン病学会雑誌
―日本ハンセン病学会の学術誌、使用権取得済
⑪犀川珠子(資料)(作成中)
―犀川一夫夫人、長島愛生園、台湾、沖縄愛楽園で犀川一夫と共にハンセン病患者救済に尽力した。
⑫栗生楽泉園(資料)『風雪の紋』、『御座の湯口碑』-目録データと資料詳細データ
―栗生楽泉園自治会提供、栗生楽泉園の歴史、湯之沢部落(1887年から1941年まで群馬県草津町に存在した日本最大のハンセン病患者村の記録
⑬加藤三郎(資料)(作成中)
―栗生楽泉園、元湯之沢部落住民、詩人、小説家
⑭田中梅吉(資料)(作成中)
―栗生楽泉園、元栗生楽泉園自治会長、詩人
⑮横山秀夫(資料)(作成中)
―群馬県草津町、歌人、郷土史家
⑯滝田サト(資料)(作成中)
―栗生楽泉園、元湯之沢部落住民、バルナバ・ミション関係者
⑰「東北農場」関連資料-目録データと資料詳細データ
―東北新生園に設置された入所者の社会復帰事業施設
⑱三上千代(資料)-目録データと資料詳細データ(作成中)
―キリスト教伝道師、看護師としてハンセン病患者の救済を行った。バルナバ・ミッション、バルナバ医院、沖縄愛楽園、多磨全生園に看護師として勤務、鈴蘭医院、鈴蘭村、鈴蘭園事業を行った。
⑲服部ケサ(資料)-目録データと資料詳細データ(作成中)
―医師としてハンセン病患者の救済を行った。バルナバ・ミッション、バルナバ医院に勤務、鈴蘭医院、鈴蘭村事業を行った。
⑳「社会復帰研究会」関連資料-目録データと資料詳細データ
―東北新生園、神山復姓病院を中心に全国のハンセン病療養所で入所者が社会復帰を検討した。
㉑『癩患者ノ告白』(内務省衛生局)-目録データと資料詳細データ(作成中)
―療養所入所者の告白記録、彼らの経験から明治時代の患者のおかれた状況を克明に知ることができる。
㉒バルナバ・ミションの記録-目録データと資料詳細データ(作成中)
―湯之沢部落で患者救済を行ったキリスト教ミッションの記録、コンウォール・リーにより行われた。
㉓奄美和光園での入所者の出産とその養育システムに関する記録
-目録データと資料詳細データ(作成中)
㉔その他、ハンセン病関連資料
―論文、随筆、会議録、聞き書き調査記録、研究記録、救済ミッションの記録、など
公開基準と個人情報等の扱い
公開している情報データの収集元は、本データベースの目的に賛同をいただいた個人、法人、行政機関です。
(1)個人から提供いただいた資料は、次の規準で公開しています。
①情報提供者の確認と承諾をいただいたもの
②氏名、生年月日その他の記述等によって特定の個人を識別できる情報以外のもの
(公務員等の役員及び職員で当該情報が職務に係る情報であるときには公開)
③入所者や回復者(社会復帰者)の個人情報以外のもの
(本人-場合によっては遺族-の確認と承諾がとれたものは公開)
④情報提供者が所有していた私的文書資料で他者の著作権に抵触しないもの
(2)法人から提供いただいた資料は、次の規準で公開しています。
①情報提供法人の確認と承諾をいただいたもの
②氏名、生年月日その他の記述等によって特定の個人を識別できる情報以外のもの
(公務員等の役員及び職員で当該情報が職務に係る情報であるときには公開)
③入所者や回復者(社会復帰者)の個人情報以外のもの
(本人-場合によっては遺族-の確認と承諾がとれたものは公開)
④情報提供法人が所有していた私的文書資料で他者の著作権に抵触しないもの
(3)行政機関又は独立行政法人から提供いただいた資料は、次の法律などに基づいて公開しています。
「公文書の管理に関する法律」
「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」
「独立行政法人の保有する情報の公開に関する法律」
その他の「関連法、関連規則、関連ガイドライン」
サイトの説明
近現代ハンセン病資料アーカイブス利用規約
令和2年4月1日
委員会設置場所
国立感染症研究所ハンセン病研究センター感染制御部
〒189-0002東京都東村山市青葉町4-2-1
委員会
委員長 | 森 修一 | 国立感染症研究所ハンセン病研究センター感染制御部 | ||
阿戸 学 | 国立感染症研究所ハンセン病研究センター感染制御部 | |||
副委員長 | 廣野喜幸 | 東京大学大学院 情報学環 学際情報学府 | ||
川西健登 | 元国立療養所松丘保養園 | |||
尾崎元昭 | 元京都大学、国立療養所長島愛生園 | |||
野上玲子 | 国立療養所菊池恵楓園 | |||
熊野公子 | 兵庫県立がんセンター |
研究費
本アーカイブスはこちらの科学研究費助成事業により作成されています。
1.平成27年度科学研究費助成事業(研究成果公開促進費)データベース
「近現代ハンセン病資料アーカイブス」(研究課題番号15HP7007)
研究代表者 森 修一
2.平成28年度科学研究費助成事業(研究成果公開促進費)データベース
「近現代ハンセン病資料アーカイブス」(研究課題番号15HP7007)
研究代表者 森 修一
3.文部科学研究費(基盤C)
「ハンセン病政策と医学-日本と世界-」(研究課題番号25350389)
研究代表者 森 修一
4.文部科学研究費(基盤B)
「医療リスク管理政策の国際比較制度分析:アクター理論によるアプローチ」
(研究課題番号23300315)
研究代表者 廣野喜幸
5.文部科学研究費(基盤B)
「事例間比較研究によるリスクコミュニケーション論の再構築」(研究課題番号
65H02942)
研究代表者 廣野喜幸
6.文部科学研究費(基盤C)
「近現代ハンセン病医学資料の研究とデータベース作成」(研究課題番号16K01175)
研究代表者 森 修一
7.AMED
「ハンセン病などの予防・診断・治療法の開発に向けた研究」(課題番号JP18fk0108064)
代表者 星野仁彦
8.文部科学研究費(基盤C)
「ハンセン病と医学 -ハンセン病隔離政策と医学の関りを明らかにする研究―」(研究課題番号19K00289)
研究代表者 森 修一
製作協力者(敬称略) 町田聡子、秋葉健史
製作・開発 ㈱エニウェイ
近現代ハンセン病資料アーカイブス作成委員会
2020年 5月22日 | サイトオープン 第一次資料公開 |
2020年 8月 | 日本ハンセン病学会雑誌第89巻1号誌上にて報告 |
2021年 3月 5日 | 第二次資料公開 |
2021年 7月 5日 | 「甲田の裾電子図書室」を公開しました。 |
2021年 8月 31日 | 検索機能が使えるようになりました。 |
2023年 3月 28日 | Google Chrome、Microsoft Edge で当サイト内のPDFを閲覧される場合、「クリップボードへのアクセス許可」の設定をしていただく必要があります。詳しくは こちら をご確認ください。 |
2023年 4月 14日 | 「新生電子図書室」を公開しました。 |
2023年 11月 2日 | フリーワード検索で「甲田の裾電子図書室」と「新生電子図書室」の内容も検索できるようにしました。 |
資料名(書籍名) | 著者(編者) | 巻号 | 発行日 | 発行元 | 所蔵 | 抄録 |
---|
公開情報の閲覧にあたっては、以下の利用規約に同意いただく必要がございます。
内容をご確認のうえ、同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してお進みください。